宿題の提出にご質問が出たことをこちらにまとめます。
質問 「作詞作曲をするときにどんなことに気をつけていたんですか」
ここでのご質問はわたしたちDA/LEDAが皆さんの詩と曲のサポートをするときに心がけていることとしてお答えします。すこし難しいかもしれないのですが、保護者様が翻訳して頂ければ幸いです。
まず、言葉あつめでは、私たちは、どんな言葉でも大事にします。皆さんの中から出てきたものは、どんな言葉でも大事なのです。なかなか言葉が出てこないお子さんには、色々な「ヒント」を申し上げますが、基本は皆さんの中にあるものが、浮かび上がってくるのを、お待ちします。ちょうど深い海の中にある、眠っている宝物や、真珠を、潜って拾ってくるような感じです。拾ってきたものがガラス瓶だとしても、それは魔法のガラス瓶かもしれません。とにかく、皆さんの中から出てくるものは、すべてがとても大事なものなのです。
文章作りで一番大切なのは、実はこの部分ではないかと思います。まず、自分の中にあるドアのカギを外し、ドアを開けることです。無意識(言葉になる前の意識のことです)を解放することで、豊かな材料(アイディア)が得られます。たとえば幼児さんの独創性に驚かされることがあると思いますが、その本質は、「意外なもの」を組み合わせることです。同じ世界で暮らしていると、目に映る出来事に、実はそれほどの差はありません。差が出るのは、「それらをどう受け止めるか」「なにと結びつけるか」によってなのです。
「ことば集め」は文章ではなく、ばらばらに単語を集める形にしています。このことによって、後で行う言葉の結びつきの自由度が高まるのです。
ですので、皆さんも、ご自分が作られた言葉をどんな言葉でも大事にしてほしいと思います。言葉は大事に扱うことで、《意味》を伝えてくれます。それは言葉の、辞書に書いてある「意味」とは別の、皆さんにとっての《意味》です。世界はこの二重の「意味」と《意味》でできています。
そこから言葉を並べ替え、今度は、文章にしていきます。ここは歌につながる部分ですので、なるべく、「一息で言えるまとまり」や、「リズム感」を大事にするようなアドバイスをします。アドバイスと言っても、最も大事なのは、皆さんがこの言葉で「伝えたいもの」と「特に大事にしたいこと」です。その大事なものを「知らない人にも伝わるようにするにはどうしたらいいのか」という視点で考えます。
「歌」は耳で聞くので、「聞いてわかる言葉」にする方が、良く伝わります。「聞いてわかる」というのは、ただ言葉のややこしさだけの問題ではなく、並べ方や、読み方、テンポなどとも関係しています。「説明」を積み重ねていくのではなく、短い言葉でイメージを広げる様な言葉の使い方の方が、説得力があり、音にしやすいですね。
歌は「聞いてわかる」詩にすることが大事です。
皆さんは、たくさん「詩」を読んで、読みやすいか、どこの言葉が、心に刺さったか、などをたくさん味わうと、よいと思います。
具体的には、8文字のマスの中に、言葉を入れ込んいく、という方法があります。まもりうたでは、皆さんから出てくるものをとにかく大事にしたいので、あまり8文字のマスのお話はしませんでしたが、実は言葉紡ぎで使う、豆鞘の絵は、8個の豆でできています。日本語は多くは8呼間の上に載ると、おさまりがいいのです。多くの歌曲は8呼間(休符も含めて)の上に置かれています。先ほどご紹介しましたWebアプリでも8呼間でまとめると、楽譜の整いが良い感じになっているという作りになっています。
作曲の過程では、私たちにとっては「採譜」という過程になりますが、皆さんの読み方に沿って音を拾って忠実に楽音に置き換えています。こちらもなるべく皆さんの読む通りにすることを心がけています。ただ、部分を作りながら、詩全体のポイントと構成も、同時に考えるように気を付けています。音楽をメロディの時間の流れに沿って、線的にイメージすることは割と簡単ですが、建築物として、全体を同時に構成(compose)するのは少し難しいことなので、そこを説明しながら、メロディづくりのアドバイスをしています。また、言葉の時と同様、皆さんにどういう背景や意図があるかを確認して、より伝わる方法のご提案もします。ただし、あくまでも「ご提案」なので決定は皆さんの側にあります。
世の中の曲はメロデイ以外にも、ベース、和音、リズムという、他のラインがあります。色々な音楽を聴くとき、「メロデイ以外のライン」に耳を傾けてみましょう。そうすると、部分を聞きながら、全体を見る、ということがだんだんできるようになります!
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